「最近、あまり子どもと話していないです。」

面談の席で、そう肩を落とす保護者の方に、これまで何度も出会ってきました。

また、生徒本人からこんな言葉を聞くこともあります。

「最近、あまり親と話してないわ。きちんと、聞いてくれないしな。」

親子の関係がこじれるのは、ある日突然ではありません。実はその何ヶ月も前、あるいは何年も前から、日常の小さなすれ違いが少しずつ積み重なっているのです。

この記事では、家庭の中で親子の心の距離が広がっていく過程を、日常の場面に沿って考えていきます。

親子関係の変化は、日常の小さな違和感から始まる

関係がこじれる前には、必ず違和感の段階がある

親子関係が悪化するとき、その多くは大きな喧嘩や衝突がきっかけではありません。実際には、「なんとなく話が続かなくなった」「以前より笑顔が減った気がする」といった、ささやかな違和感の段階がまず先にあります。

この違和感を、親はつい「反抗期だから」「思春期だから」と片づけてしまいがちです。しかし、その一言で処理してしまうと、目の前で起きている小さな変化を見逃してしまいます。違和感は、関係が変わり始めているサインなのです。

イメージ画像:そっぽを向く親子

親も子も「いつからこうなったのか」がわからないことが多い

関係がこじれてから振り返っても、「いつからこうなったんやろう」と、親も子も答えられないことがほとんどです。それは、変化がゆっくりと、少しずつ進んでいくからです。

一日で急に会話が減るのではなく、今日は一言少ない、明日はもう一言少ない、そんな積み重ねが半年、一年と続くうちに、気づけば親子の間に静かな溝ができている。この「気づきにくさ」こそが、親子のすれ違いのやっかいなところです。

すれ違いは、日常の何気ない会話から始まっている

心配のつもりが「責められた」に変わる瞬間

「宿題やったの?」

親は心配して聞いているだけのつもりです。ところが子どもは、「またか」と身構えます。同じ言葉を毎日繰り返されると、心配ではなく監視や叱責に感じられてしまうのです。

面談で生徒がぽつりと漏らすことがあります。親のことが嫌いなわけではない。話を聞きたい気持ちもある。でも、いつも同じことを聞かれたり、肝心の相談があるときにきちんと聞いてもらえなかったりすると、だんだん話す気持ちがなくなっていく。さらに、強い口調で責められると、聞きたくても聞けなくなる。

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親子のすれ違いはなぜ深まるのか。心の距離が広がる家庭の現実

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