ジャーナリストの書評コーナー

親子断絶を経験したジャーナリストが、自らの体験や取材を通じて出会った良書を紹介するコーナーです。

西牟田 靖

書籍表紙

📖 書籍情報

タイトル:子どもは誰のものか? (離婚後「共同親権」が日本を救う)

著者:嘉田由紀子

出版社:文春新書

発行年:2025年

概要

日本の離婚後単独親権制度が引き起こす子の連れ去りや親子断絶の悲劇を40人以上の当事者にインタビューしたり、歴史的・制度的分析をしたりして浮き彫りに。2026年施行の共同親権法案はなぜ導入が遅れ、そして「骨抜き」になったのか。その一因として、行き過ぎたフェミニズムなどについて説明。「子どもは両方の親から愛される権利がある」という信念や子の最善の利益のために、日本の家族の未来と改革を提唱する一冊。

書評

「互いに会いたい親子を隔てる司法の壁、行き過ぎたフェミニズム。当事者40名超の実例を通して日本の家族の未来を探る」――そう帯に記されていることからわかるとおり、本書のテーマは、離婚後の親権制度のあり方である。2026年5月までに施行が予定されている改正民法。そこに導入される「選択的共同親権」を背景に、日本社会における離婚後の親権制度のあり方について、歴史的・制度的な観点と多数の当事者の声を通して深く問いかけていく。

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