サブスクリプション
「パパ、大好き!」
涼介さん(仮名)はその言葉を聞いた瞬間、堪えていた涙が溢れた。3歳の長男が、小さな腕で必死に抱きついてくる。まるで、会えなかった時間を取り戻そうとするかのように。
アイタイムズ編集部
その言葉で変わった妻の態度

2021年の秋、涼介さんは最愛の息子たちと突然引き離されました。妻が「産後うつ」を理由に、3歳の長男と生まれたばかりの次男を実家に連れ帰ったまま、戻らなかったのです。
新潟県内、家庭裁判所で、妻は夫と子どもの交流に対して消極的な姿勢を崩さず、話し合いはなかなか進展しませんでした。そんな中、裁判官が諭すように言葉をかけました。
「親子の交流は大切なものです。お子さんの健やかな成長を望むなら、親の愛情を受ける機会を奪うべきではありません。」
その言葉が響いたのでしょうか。妻はしぶしぶながらも、月2回、各4時間の交流を認めることになりました。この結果について涼介さんは、「裁判官の心ある言葉がなければ、ここまでたどり着けなかった」と感謝の念を抱いています。一方で、「今の日本ではこれが限界」という同裁判官の言葉に、制度、運用の理不尽さを思い知らされたといいます。
再会の時
「パパ大好き!」
別居後初めて再会した際、長男が最初に口にした言葉です。何よりも大切に思っている息子にかけられた一言に、涼介さんは感極まって涙を流しました。

次男は生後約1か月で別居となったため、父親の記憶はほとんどありませんでした。それでも、交流のたびに目を輝かせ、無邪気に懐いてくれます。「あの子たちが笑顔でいる限り、どんな苦労も乗り越えられる」と思いをかみしめます。
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