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アイタイムズ編集部
両親が別れても、協力して子どもを育てる「共同養育」が注目を集めています。このスタイルでは、親が別々に暮らしていても、子どもが両方の親との良好な関係を保ちながら成長することが重視されます。今回は、まず日本国内での共同養育の成功事例を紹介し、続いてスウェーデンの調査で明らかになった共同養育のメリットについてもご紹介します。それでは、共同養育の世界を少し覗いてみましょう。
6歳の娘を奪われた母親の奮闘
出典:車に監禁されて離婚届にサイン! それでも、元夫との共同養育がうまくいっているワケとは?(2021/07/17 16:00)|サイゾーウーマン (cyzowoman.jp)

美月さん(仮名)は、強引に娘を奪われ、会えない日々を送っていた一児の母です。離婚問題で揉める中、夫に車内へ閉じ込められ、無理やり離婚届にサインさせられたといいます。しかし彼女は、「このままでは終われない」と誓い、娘との再会を目指して、調停という長い戦いの道に踏み出しました。調停とは、家庭裁判所や専門家が仲介し、家族問題を話し合いで解決するための手続きです。
調停やさまざまな手段で、少しずつ娘との交流を増やしてきた美月さんは、ある日こう伝えました。「外国ではね、子どもたちは2つのおうちで暮らしているんだよ」。おしゃれな国際感覚をさりげなくアピールしつつ、共同養育の概念を伝授。つまり親が別れていても、両方の家を行き来しながら成長できるんだということです。
さらに彼女はこうも伝えました。「パパとママはケンカをしたけれど、本当はあなたが誰と暮らすかを決めるの。私たちはそのお手伝いをしたいだけ」。子どもに選択肢があることを伝え、親はあくまでサポート役であるという謙虚な姿勢を示したのです。こうした娘への語りかけが、やがて状況を好転させるきっかけとなっていきます。
3年の調停を経て、ついに実現した共同養育

約3年にわたる調停の末、娘が小学2年生の時、1週間ごとに父親と母親の家を行き来する共同養育が実現しました。こうして娘は「2つのおうちライフ」を楽しむ新しい生活を始めたのです。親が離婚しても、子どもが両親の愛情を感じながら成長できることこそ、共同養育の意義です。