サブスクリプション
アイタイムズ編集部
みなさんこんにちは。
今回はDV(ドメスティック・バイオレンス)問題の中でも、声を上げづらい立場にある男性被害者について取り上げます。
疑問視されるDV防止法
平成13年(2001年)に施行されたDV防止法には、「被害者は、多くの場合女性」と記されています。そう書かれていれば、男性被害者が声を上げにくくなるのも無理はないでしょう。まるで、「男性の被害は無視する」と言われているようです。
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DV防止法の文言に疑問を投げかけるかのように、令和5年の統計では、DVが原因で自殺する男性の数が、なんと女性の6.75倍にのぼっています。これはもう、男性のDV被害が世間で語られない「不都合な真実」であると言っているようなものです。
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そしてもうひとつ、男性側の被害が圧倒的に多いのが「子供の連れ去り」です。最近では、片方の親が相手に無断で子供を連れ去り、親子関係を妨害する行為が、DVの一形態として知られ始めています。DV被害者からすれば「大切な子どもまで奪われる」となると、まさに「踏んだり蹴ったり」の状況です。今回紹介するケースは、DVを受けた男性がどのように追い詰められ、子どもとの繋がりを失ってしまうのか、その厳しい現実を浮き彫りにしています。
男性も直面するDV被害 ─── 当事者の体験

ヒカルさん(仮名)は、1人の子どもを授かったお父さんです。しかし、結婚当初から妻による暴力に悩まされていました。殴る、蹴る、物を投げつけるといった身体的DVに加え、長時間にわたって暴言を浴びせられるなどの精神的なDVも。また給与口座の管理をすべて妻が行い、生活費に厳しい制限がかけられていたため、ヒカルさんはわずかな額のお小遣いしか受け取れない状況でした。つまり精神的支配を伴い生活費を極端に制限するという、経済的DVも受けていたのです。
「子供のために事を大きくしたくない」と耐えていたヒカルさんでしたが、限界を感じ、ついに警察に通報しました。結果、妻は「DV加害者更生プログラム」を受ける事になります。ヒカルさんはようやく暴力から解放される兆しを感じ始めましたが、本当の試練はここから始まったのです。
その後、第三者を交えた話し合いを重ね、子供がまだ0歳の時でしたが、別居することになります。妻が子どもと同居し、「ヒカルさんと子どもは週に一度会う」という約束が交わされます。ところが、別居後すぐに妻は約束を守らなくなり、子供と全く会えない状況に。妻は合意していた更生プログラムへの参加もすぐに放棄。ヒカルさんは何度も親子の交流を求めますが、返事は「なしのつぶて」。結局、面会権を主張して裁判所に訴えるしかない状況になりました。「悪夢から解放された」と思った途端、「別の悪夢」が待っていたのです。
