ある日、彼女は家から締め出された。

夫が鍵を変えた。
私物は処分された。
何よりも、子どもたちと会えなくなった。

家から締め出し
私物を奪い
親子の関係を断つ――
これが「暴力」でなくて、何だというのか?

アイタイムズ編集部

「離婚」の言葉が引き金に

真美さん(仮名)はそれまで10年間、フルタイムで働きながら家事と育児の中心を担ってきました。「もう少し家事を分担してほしい」「きちんと話し合いたい」―― 何度訴えても夫に真剣に向き合ってもらえず、ついに「離婚を考えたい」と口にしました。本来なら、ここから話し合いが始まるべきでしょう。しかし、夫が取った行動は「話し合い」ではなく、彼女を家から排除するという暴挙でした。

2023年のある日、真美さんが仕事から帰宅すると、家の鍵が変えられていました。中では子どもが泣き、母親に助けを求めています。インターホンを鳴らしても、ドアをノックしても応じてもらえません。やがて夫が現れ口論になりますが、「近所迷惑だから」と力づくで追い返されます。

混乱しながらも冷静さを保とうとした真美さんは、少し間をおいて警察と児童相談所に助けを求めました。しかし、駆け付けた職員から返ってきたのは、耳を疑うような言葉でした。

「子どもに問題はないですね」

―― 母親が家から締め出されているにもかかわらず。警察も児童相談所も、これを「問題なし」と判断したのです。

家も、私物も、子も奪われた

そして、その日を境に真美さんが自宅に戻れることは二度とありませんでした。

地域の役所に相談しても、「できることはありません」と取り合ってもらえません。住む場所を失い、それでも仕事を続けながら懸命に住居を探し、ようやく元の家から徒歩15分の場所に借家を見つけました。すぐそばに住んでいるはずの子どもたちに会うことすら許されない。これは本当に「家庭の問題」なのでしょうか?

母としてただ我が子に会うために

行政の無力さに打ちのめされながらも、真美さんは母として動き続けました。「どうにかして、子どもたちと関わる方法を見つけなければ――。」そこで彼女が考えたのが ” 登校見守りボランティア ” でした。「これなら、子どもたちと毎日会えるかもしれない」

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