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アイタイムズ編集部
ある日突然、大切な家族とのつながりが断たれたら…。
今回は、祖父として突然孫とのつながりを断たれ、深い悲しみを抱える男性の経験を紹介します。続いて、ある調査で明らかになった「祖父母と孫の交流の意義」についても紹介します。これらの視点を通じて、家族のつながりの大切さについて改めて考えてみてはいかがでしょうか。
突然失ったかけがえのない存在
2024年春、徹さん(仮名)は愛する孫たちを巡り、予期せぬ事態に直面しました。まるで昼ドラ顔負けの展開ですが、残念ながらこれはフィクション(作り話)ではありません。
「孫たちが誘拐されましたよ。小学校と幼稚園からね。」男児2人(8歳と5歳)の祖父である徹さんはそう語ります。連れ去ったのは息子の嫁とその母親で、これには背景があったと言います。徹さんの息子が妻の不貞に気付き、それに危機感を抱いた妻と義母が動き出したというわけです。「まあ、どうやら婚姻費用や養育費という“不労所得”も目的のようです」と徹さんは皮肉を込めて語りつつも、孫たちが「大人の都合」に振り回されている状況に胸を痛めています。

そして驚くべきは、連れ去りのタイミングです。5歳児は幼稚園の卒園式わずか8日前、8歳児は小学校の終業式まで2週間余りという時です。その後、2人は幼稚園、学校を無断欠席させられることになります。こうして子どもたちは、楽しみにしていた行事へ参加できず、先生や友達との関係も断たれ、これまでの生活を一変させられることになったのです。「いかに孫たちの生活が理不尽に壊されているかを考えると、心が押しつぶされそうです」と、徹さんは声を震わせます。
離婚後の親権とその影響
現在の日本の民法では、離婚後の親権は一方の親が単独で持つ以外に選択肢はありません。この仕組みについては、国内外から多くの批判があります。親権を持たない親は、子どもと過ごす時間が大きく制限されたり、会えなくなる事もあります。
さらに注目すべき点として、一方の親が子どもを連れ去った場合でも、それが法律上「誘拐」として扱われないことがあります。この制度の抜け穴により、子を奪われた親はもちろん、徹さんのように孫との関係が断たれ、涙を流す祖父母が多くいるのです。
「孫たちは家族全員の愛情を受けて育ってほしい。それが普通でしょう」と徹さんは語ります。しかし日本ではその「普通」が制度によって奪われ、家族間のつながりが失われるのです。
調査で明らかに──祖父母と孫の絆に隠された力とは?
次に、2023年に行われたアンケートを見てみましょう。この調査から、祖父母が適切に関わる事が、孫にどのような影響を与えるかが読み取れます。
子育て世帯の保護者を対象にしたもので、「ママソレ」というウェブメディアによるものです。
祖父母と孫の仲は良好?
アンケート調査から抜粋していきます。これによると、祖父母と孫の仲が「非常に良好」または「良好」と回答した割合が90%を超えています。