北海道に暮らす芽衣さん(仮名・20代)はある日突然幼い息子と引き離され、その息子は、一度も学校に通えていません。

子が親に会えず、教育を受ける機会すら奪われてしまう。そんな理不尽な出来事が、なぜ起きてしまったのでしょうか。

R3年~R6年 不登校児童数 (小学校) の推移・
アイタイムズジャパン作成
不登校児童数( 小学校 ) 抜粋
文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査」より

不登校児童数について

令和5年、小学校の不登校児童数は13万人以上です。
不登校の理由に「家庭の事情」が含まれることが多いが、その内情には「監護紛争」や「親子断絶」が関係しているケースもあります。

アイタイムズジャパン編集部


はじまりは「家族を守るための借金」だった

芽衣さんは結婚後、夫に多額の借金があることを知ります。これ以上借金ができない夫に代わり、生活費や通勤車の購入費を自分名義で肩代わりすることになります。小さな息子のためにも、働きながら家庭を支えました。

2019年のこと。
息子が2歳のときに、家賃を節約するため夫の実家に引っ越します。しかし、「後から行く」と言っていた夫は、結局やって来ませんでした。

「出ていけ」と言われても、守りたかった息子との暮らし

義父・義母・曾祖母・息子との5人暮らし。夫のいない生活の中、芽衣さんは葛藤を抱えながらも子育てを続けていました。

やがて2022年の夏。
夫と離婚の話し合いが開かれます。立ち会った義父母は、こう言い放ちました。「借金が払えないなら、代わりに払ってやるから今すぐ出ていけ!」その発言からほどなくして、離婚は正式に成立。しかし芽衣さんはすぐに家を出ることができませんでした。小さな息子と一緒に住む場所も、頼れる人も、当時の彼女にはなかったからです。経済的に苦しい中でも義実家での生活を続け、借金の返済と子育ての両方に懸命に向き合いました。

新しい人生への希望

 2023年の1月。
借金の完済がようやく見えてきた頃。芽衣さんは、新生活に向けて準備を始めます。その頃、支えとなる男性(現在の夫)に出会い、彼の助けを得て義実家からの引っ越しが可能となりました。息子もその男性と少しずつ打ち解け、あたたかい家族の形が見え始めていたのです。

突然の追い出しと引き離し

ところが、引越し直前──息子がインフルエンザにかかってしまい、予定はやむなく延期に。その翌日、 芽衣さんが仕事から帰ると、義母と曾祖母が玄関で待ち構えていました。「突然『出ていけ!』って言われて、そこから1時間以上口論が続いたんです」「息子は泣きながらそれを見ていました」口論の末、芽衣さんは家から追い出され、息子と引き離されてしまいました。

誰も助けてくれなかった

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