サブスクリプション
筆者について
京都市空き家対策協議会委員を務めるなど、不動産ジャンルを中心に約10年執筆してきたライターが、離婚時に悩みやすいマイホームの扱いについて分かりやすく解説します。

旗見 知也
さまざまな事情で離婚を選択する夫婦は、3組に1組と言われています。離婚時には、夫婦で平等に財産を分けますが、マイホームのような分割できない不動産はどうなるのでしょうか。今回は離婚時の不動産の扱いについて解説します。
財産分与で平等に財産を分ける
婚姻中に夫婦が築いた財産は、共有財産として、離婚時には平等に分配する「財産分与」を行います。対象となるのは婚姻中に築いたすべての財産で、婚姻前にそれぞれの名義で取得していた不動産や車、また別居中に築いたそれぞれの財産、相続で引き継いだ財産は「特有財産」とされ、対象外となります。
共有財産は、誰の名義であるかは関係ありません。例えば、婚姻中に購入した自動車やマイホームの名義人が夫のものであっても二人の財産として平等に分配します。また、婚姻中に一方が専業主婦(主夫)である場合などでも、それぞれの収入に合わせて分配するものではなく、2分の1ずつ分配するのが基本となります。
財産分与の方法は話し合いで決めることもでき、例えば自宅は夫が、自動車や預貯金は妻が所有することにするといったことも可能です。

イメージ画像:共有財産
マイホームはどのように財産分与する?
不動産は土地だけの場合を除き、物理的に半分にすることができません。そのため、「売却して得た金額を二等分する」のが、公平性が高い方法となります。
その他には「一方が住み続け、住まない方に代償金を支払う」「共有名義にする」「土地だけなら2つ分割してそれぞれが所有する」という3つが挙げられます。
一方が住み続ける場合は、引っ越す方が損をしてしまうので、その代償として査定金額の半分を現金で渡すという方法があります。子どもの学校などの都合で引っ越しをしたくない場合には適した方法です。
不動産の名義は夫婦どちらか一方になっているケースが多いですが、二人の共有名義にすることで、平等に財産分与することができます。しかし、共有名義にすると売却や賃貸物件にする際には二人の許可が必要になるなど、離婚後にもさまざまな話し合いをする必要がありますし、事務的な手間も多くなるため、おすすめできる方法ではありません。
また、土地だけの場合は2つの土地に分割してそれぞれが所有する方法があります。敷地面積が半減すれば用途や間取りが制限され、資産価値が分筆前と比較して半分以下に下落する恐れがあるため、こちらもおすすめできません。
住宅ローンが残ったマイホームはどうする?
住宅ローンは数十年かけて返済していくものです。そのため、多くの場合、離婚時には住宅ローンが残っている状態となります。
住宅ローンが残っている不動産でも、売却することはできます。
しかし、「住宅ローンが残っている不動産は、売却時にローンを完済しなくてはならない」というルールがあります。住宅ローンは土地や建物を担保にお金を借りるものなので、完済して担保を抹消しないと売却できません。そのため、ローンを完済が売却の条件になります。

