コラム:考察・視点


― 著者紹介 ―

著者の宮本しずかは両親の離婚や母親の再婚を経験し、家族との関係に悩みながら成長してきた。
その過程で、大人に対する不信感や孤独を抱えた時期もあったという。
現在は、自身の経験を原点に執筆活動を行い、「子どもたちが少しでも安心して過ごせる社会をつくりたい」と発信を続けている。

宮本しずか

「パパとママ、もう一緒に住まないの?」

子どもにそう聞かれたとき、あなたはなんと答えますか?

「頭の中で何度もシミュレーションしていたはずなのに、いざ子どもの目を見たら言葉が出なかった」という話をよく聞きます。そして、子供から見る親の表情も複雑です。今までに見たことない顔をしています。それほどまでに、離婚を子どもに伝えるという瞬間は、親にとっても重くて苦しいものでしょう。

でも、その瞬間に苦しんでいるのは、親だけではありません。子どもたちは、親が思っている何倍もの感情を、小さな小さな胸の中に抱えています。泣き叫ぶわけでもなく、わかりやすく反抗するわけでもなく、ただ「いつも通り」を演じながら、心の中でぐるぐると見えない渦を巻かせているのです。

「私が悪い子だったから、パパとママは別れたの?」 「もっとおりこうにしていれば、離婚しなかったのかな?」 「ねえ、本当にこれからも大丈夫なの?」そんな思いを、誰にもできずに飲み込んでいる子どもが、日本中にいます。

この記事では、離婚を経験した子どもたちが実際にどんな気持ちを抱えているのか、そして同居している親・離れて暮らすことになった親・祖父母・その他の親戚に対して、それぞれ何を求めているのかを、著者自身の経験や知人から聞いた話を踏まえ、できる限りリアルな視点でまとめました。

「子どものために、自分は何ができるんだろう」と悩んでいる方に少しでも届けばと思います。

離婚が子どもに与える影響とは

まず大前提として、離婚は子どもにとって「家族という世界の崩壊」に近い体験です。

大人にとっては「新しい出発」かもしれない。「この決断が、長い目で見ればみんなを幸せにする」と信じているかもしれない。それはそれで正しいかもしれません。でも、子どもにとっては、毎日当たり前にあった、そしてこらからも永遠に続くと思っていた安心できる世界「パパとママが同じ家にいる」という安心感が、ある日突然消えてしまう、とっても恐ろしい体験です。

子どもにとって、家族は「最初の安心できる世界そのもの」です。学校も友達も大切だけれど、帰ってきたときにパパとママが揃っているという事実が、子どもの安全基地になっています。その基地が崩れたとき、子どもの心は大きく揺れます。特に幼い子どもほど、この変化を「自分のせい」と感じやすいと言われています。まだ論理的に物事を考える力が育っていないため、「パパがいなくなった=私が悪い子だったから」という結論に至ってしまうことがあります。

大人から見れば「そんなわけない」と思うかもしれませんが、子どもにとってはそれが正解のない中自分で自分なりに必死に出した「答え」になってしまうのです。年齢が上がると、今度は別の種類の葛藤が生まれます。「どちらの味方をすればいいのか」「パパのことが好きだと言ったら、ママが悲しむんじゃないか」という板挟みの感覚です。親の気持ちを傷つけたくないから、本音を隠す。笑えない場面でも笑う。そうやって、子どもたちは少しずつ自分の感情から切り離されていきます。

子どもたちは、親が思っている以上に、親の顔色を読んでいます。そして、自分が何かを言うことで親を傷つけてしまうのではないかと恐れ、本音を飲み込んでしまうのです。それが長期間続くと、感情の表現が苦手になったり、人間関係に対して慎重すぎるほど慎重になる子どもに育つこともあります。だからこそ、親をはじめとした周囲の大人が、子どもの心に対してどう向き合うかが、その後の成長に大きく影響するのです。

親の離婚とは、「家族が壊れる」と言うこと。子どもにとっては、「安全基地が無くなってしまう」という恐ろしい体験である。

イメージ画像:家族という安全基地

子どもは「寂しい」と言えない

ここで、一つ大切なことをお伝えしたいと思います。

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親が離婚した子供の気持ち!同居・別居の親や親族それぞれに求めるものとは!?【前編】

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