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500 JPY書評#14 『ファーザー・アンド・チャイルド・リユニオン 共同親権と司法の男性差別』
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特集:書評
ジャーナリスト・西牟田靖は、不本意にわが子と引き離された経験を持つ。そんな経験から、日本の親権制度や親子断絶の実態に強い問題意識を持ち、取材を重ね、関連資料や書籍に触れて考察を深めてきた。本コーナーでは、それらの過程で出会った良書を紹介している。
タイトル:ファーザー・アンド・チャイルド・リユニオン 共同親権と司法の男性差別
著者 :ワレン・ファレル/著 久米泰介/訳
出版社:社会評論社
発行年:2017年
西牟田 靖
本書は、ある日突然、最愛の子供たちと離れて暮らすことになってしまった父親の、赤裸々で愛情深い記録である。親の離婚という人生の大きな試練の中で、親子の絆とは何か、そして親として、一人の人間としてどう生きていくべきかを深く問いかける一冊となっている。本稿では、本書の魅力とメッセージを6つの視点から紐解いていく。
子どもと引き離され、途方もない喪失感と理不尽な司法制度の壁の前に立ち尽くす別居父親たち。このコラムを読む人の中にはそうした境遇にある方もいるだろう。そうした別居父の皆さんにこそ読んでもらいたいのが、本書である。

本書は単なる社会科学の専門書ではない。それは血の通った「救済の書」であり、不条理なシステムの中で自分を見失わずに生き抜くための「理論武装の書」でもある。
離婚や別居に伴い、子どもとの面会交流(親子交流)を制限され、まるで自分がいなかったかのように扱われる苦痛は筆舌に尽くしがたい。本書は、そうした父親たちの声なき声を代弁し、父親が子どもにとってどれほど決定的に重要な存在であるかを、膨大なデータと冷静な分析で証明しているのだ。本稿では、とりわけ「子どもと離れて暮らす父親」の視点に立ち、本書がいかに実践的な助けとなり、どのような深い学びをもたらすのかを紐解いていく。
別居父が最初に直面するのは、「なぜ自分が愛する子どもを奪われなければならないのか」という、突然訪れた状況に対して抱く強い感情であろう。それは、強烈な自責の念や、あるいは理不尽な状況に対する怒りや悲しみといった形で現れるものだ。本書評の筆者である私(西牟田靖)自身もそうであった。
本書がまず父親たちに与えるのは、その苦境が「あなた個人の失敗」によるものではなく、社会と司法に深く根を下ろした「構造的な男性差別」の結果であるという客観的な視座である。
著者は、現代社会において男性が長らく「経済的子宮」として扱われている現実を鋭く告発する。男性は家族の生存を維持するために長時間労働を強いられ、家庭で過ごす時間を削って給料を運ぶ役割を担わされてきた。しかし、いざ離婚となると、社会や裁判所は「主たる養育者ではない」という理由で、あっさりと父親から子どもを奪い去ってしまう。著者はこれを「父親の堂々巡りの矛盾」と呼び、金を稼ぐために家族から離れざるを得ない構造が、皮肉にも離婚時に家族から切り離される最大の理由にされるという残酷なパラドックスを指摘している。
さらに、親権争いにおいて有利に立つために、一部の母親や弁護士によって「虚偽の児童虐待(特に性的虐待)やDV」がでっち上げられるという戦慄の実態も詳細に暴かれている。何の証拠もないまま「虐待者」のレッテルを貼られ、法的に正当化される形で子どもから引き離される父親の無念と絶望は計り知れない。
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