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500 JPY子どもにとっての「親の対立」――離婚そのものより苦しかったもの
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― 著者紹介 ―
筆者であるコピーライターの中新大地は、両親の離婚を機に、家族との距離や関係性のあり方について考えてきた経験を持つ。書き伝えることを生業としながら、多角的な視点で家族をめぐる問題を言語化している。
中新 大地
離婚や別居そのものよりも、「親同士の対立の空気」が記憶に残っている――。
親の離婚を経験した人の中には、そのように語る人も少なくありません。親同士の不仲や緊張は、子どもにどのように受け止められているのでしょうか。法務省関連の研究資料でも、離婚そのものより、離婚に至るまでの高葛藤状態が子どもの心理に大きな影響を与える可能性が指摘されています(*1)。
本記事では、研究資料や当事者である私の主観も踏まえながら、「親の対立」を子どもはどのように経験しているのかを考えます。
親同士の対立は、必ずしも怒鳴り合いや直接的な喧嘩だけを意味するわけではありません。
たとえば、会話が急に減る、家の空気が張り詰める、どちらかが常に不機嫌そうにしている。そのような変化を、子どもは敏感に感じ取ることがあります。
法務省関連資料でも、父母間の葛藤の深刻さや頻度、子どもがどの程度恐怖を感じていたかが、子どものメンタルヘルスに影響すると指摘されています(*1)。
つまり、子どもは「説明」より先に、家庭内の空気や緊張感を経験している場合があるのです。

イメージ画像:夫婦喧嘩
親としては、「子どもの前では見せないようにしている」と考えている場合もあります。しかし、子どもは家庭内の微妙な変化を観察しています。
声のトーン、沈黙の長さ、食事中の空気、視線の動き。大人からすると些細に見える変化も、子どもにとっては「何かがおかしい」という感覚につながります。
特に幼い子どもほど、状況を言語化できないまま、不安だけを抱え込むことがあります。
筆者自身も、両親の離婚を経験しています。母子家庭で育った立場から振り返ると、当時の詳細な会話内容よりも、「空気」の記憶の方が強く残っています。祖母(母から見た姑)から母への圧力、それによって生じる食卓のぎこちなさ、居心地の悪さ。頭を駆け巡る自分はどう立ち回るべきかといった焦燥感、物悲しさ、怒り。
何が起きているのかを正確に理解していたわけではありません。しかし、「何かを言ってはいけないし、逆に何かを言うべきかもしれない」「気を遣った方がいい」という感覚だけは、子どもながらに持っていた記憶があります。
親同士の対立は、子どもにとって必ずしも“言葉”だけで経験されるわけではないのかもしれません。
親同士の関係が悪化すると、子どもは無意識に「空気を読む」ようになることがあります。
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