宮本しずか


子どもの頃、親が離婚しました。

当時の私は、どうして離婚するのか、大人の事情なんてよく分かっていませんでした。ただ一つ思っていたのは、

「できることなら、離婚してほしくなかった」

ということ。

父と母がいて、子どもがいる。そんな「普通の家族」に、ずっと憧れがありました。でも、自分自身が大人になり、結婚して親になった今、あの頃とは少し違うことを思うようになりました。今の私なら、両親にこう言える気がします。

「離婚しても、よかったんじゃないかな」

どうしてうちは普通の家族じゃないんだろう

親の離婚を経験した子どもにとって、離婚は自分ではどうすることもできない出来事です。両親が決めたことによって、それまで当たり前だった生活が変わっていきます。私も子どもの頃は、「どうして離婚したんだろう」と何度も考えました。

友達の家族を見て、羨ましいと思ったこともあります。お父さんとお母さんが一緒にいて、家族みんなで出かける。そんな家庭を見ると、「私もこういう家族がよかったな」と思うことがありました。子どもの私にとっては、「両親が一緒にいること」が幸せな家族の形だったのだと思います。

だから、「私のために離婚しないでほしかった」と思ったこともありました。子どもにとって親は「父親」と「母親」であって、その前に一人の人間であるということまでは、なかなか考えられません。「一緒にいてほしい」という自分の願いで頭がいっぱいだった当時の私には、両親がどんな気持ちで生活し、どんなことに悩んでいたのかを想像する余裕もありませんでした。

親の離婚は子供にとってどうすることも出来ない出来事です。両親が決めた事で、それまで当たり前だった生活が変わっていく、そんな子どもの気持ちを知り、配慮するのはまわりの大人しか出来ない事です。

イメージ画像:走る子どもたちの後ろ姿

自分が親になって、初めて分かったこと

ところが、自分自身が親になってみると、少しずつ見え方が変わってきました。

親になったからといって、一人の人間であることに変わりはありません。子どものことはもちろん大切。できることなら、子どもには悲しい思いをさせたくないし、寂しい思いもさせたくありません。だからこそ、「子どものために我慢しよう」と思う親の気持ちも、今なら少し分かる気がします。

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著者
宮本 しずか | 子育て中ママライター

両親の離婚や母親の再婚を経験し、家族との関係に悩みながら成長。大人への不信感や孤独を抱えた時期もあった。その経験を原点として執筆活動を行い、「子どもたちが少しでも安心して過ごせる社会をつくりたい」という思いで発信を続けている。

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